仮想通貨市場、トランプ関税で急落し大規模清算発生

仮想通貨市場は、トランプ大統領の新たな関税政策の影響で大幅な下落を経験しました。ビットコイン（BTC）は一時91,178ドルまで急落し、その後反発したものの、不安定な状況が続いています。主要取引所では、過去最大規模となる約10億ドル（約1,500億円）の強制清算が2日連続で発生しました。特にアルトコイン市場では、XRPやドージコイン（DOGE）などが一時前日比30%以上の暴落を記録しました。市場参加者は、トランプ政権の関税政策による国際貿易摩擦の激化と、それに伴うインフレ懸念に注目しています。この不確実性が解消されるまで、リスク回避の動きが続くと予想されます。

トランプ大統領は1日、カナダとメキシコからの全輸入品に25％、中国からの製品に10％の関税を課すと発表しました。これに対し、中国商務省は世界貿易機関（WTO）に苦情を申し立て、「相応の対抗措置を講じる」と表明しています。このような貿易摩擦の激化により、今後インフレが加速する可能性が懸念されています。

また、米国を襲った記録的な寒波の影響で、ビットコインのマイニング業界も打撃を受けています。電力コストの急騰により、ビットコインのマイニング難易度は2024年9月以来初めての下方調整を余儀なくされました。特にテキサス州に大規模なマイニング施設を構える企業は、事業リスクの分散を図るため、処理能力の一部をAI処理や高性能コンピューティング分野へ振り向ける計画を発表しています。

現在、市場はトランプ政権の関税政策による不確実性と、気候変動がデジタル資産産業に及ぼす影響に対する警戒感が強まっています。投資家はリスク回避的なポジションを取る傾向が続いており、今後の市場動向に注視が必要です。

（参考）トランプ関税の影響で仮想通貨暴落、1500億円規模のロスカット　ビットコイン一時91000ドル台に