リミックスポイントが56億円調達を発表

株式会社リミックスポイントは、2025年5月19日に発表した資料において、EVO FUNDを引受先とする第三者割当方式で第24回新株予約権を発行し、最大でおよそ56億円を調達する計画を明らかにしました。調達する資金のうち、約44億円はビットコインの追加取得に充当される見通しで、購入は同年6月から8月にかけて実施される予定です。これまでに同社は105億円相当の暗号資産を購入しており、今回の取得を経て累計で150億円規模の投資額に達することになります。

リミックスポイントがビットコインを選好する背景には、アルトコインと比較した際の時価総額の大きさや流動性の高さが挙げられています。同社は、こうした特性を踏まえてビットコインを中長期的に保有し、企業価値の向上を図るとしています。加えて、2025年3月期の決算では、2026年3月末時点でビットコイン価格が150,000ドルから180,000ドルの範囲に到達するとする強気の予測を発表しています。

また、資金の残り約12億円については、Web3領域への投資に充てられる方針です。具体的には、Proof-of-Stake型ブロックチェーンにおけるバリデーター事業への参入を主軸とし、ネットワーク運営に必要なステーキング用暗号資産の取得や、関連する人材の獲得・育成、ノード運用システムへの設備投資、さらにWeb3スタートアップ企業への出資も含まれます。これらの施策を通じて、暗号資産とWeb3を組み合わせた新たな収益モデルの構築を目指すとしています。

ステーキングとは、保有する暗号資産を対象ネットワークに預けることで運用に貢献し、その報酬として一定の収益を得る仕組みです。主要な例としては、イーサリアム（ETH）でおよそ3.5%、ソラナ（SOL）で約7%の年利が見込まれています。こうした仕組みを活用することで、同社は保有資産から安定的な収益を得られる体制の確立を進めています。

同社はこれまでも暗号資産分野で積極的な取り組みを進めており、2024年9月には7億5,000万円を投じて約64 BTCを含む複数の暗号資産を取得しています。その後、同年11月には、暗号資産・株式・融資の三分野を組み合わせた新たな金融投資事業を立ち上げ、以降は企業全体の時価総額も大幅に拡大しています。これにより、暗号資産市場への参入が同社の成長戦略の一環として機能していることがうかがえます。

なお、今回の新株予約権の発行については、既存株主の持ち株比率の希薄化を抑制しつつ、株価上昇時には調達額を増やす仕組みが採用されています。リミックスポイントは今後も、ビットコインの価値上昇およびWeb3市場の拡大を取り込みながら、企業としての資産価値の維持・向上を目指し、機動的かつ戦略的な投資活動を継続する意向を示しています。

（参考）リミックスポイント、最大56億円を調達へ　44億円でビットコイン買い増し