TinderとWorldが提携、日本で先行導入へ

人工知能とブロックチェーンを融合させた個人認証プロジェクト「World」は、マッチングアプリTinderを運営するMatch Groupと連携し、日本市場でのパイロットプログラムを始動すると発表しました。この試みは、マッチングアプリにおける信頼性を高めることを目的としており、Tinderユーザーが相手の実在性を確認できる仕組みが提供されます。

このプロジェクトを率いるのは、OpenAIのサム・アルトマンCEOです。Worldは「真の人間との繋がり」をテーマに掲げ、現在では約2,600万人のユーザーを抱えています。そのうち約1,200万人が、独自の認証システムにより「唯一無二の存在」であることが確認されています。

Match Groupとの連携は、「出会いの場においても安全性と信頼性を確保する」という共通の理念から実現しました。実名や本人確認が重視される昨今、AIによる高度な認証技術の導入は、出会い系アプリの在り方に変化をもたらす可能性があります。

また、Worldは仮想通貨の利便性を高める新たな取り組みとして、「World Card」と呼ばれるVisaカードの提供も計画しています。このカードは、WLDトークンを含む仮想通貨での支払いに対応しながらも、店舗側は通常の法定通貨で決済を受け取ることができる仕様となっており、仮想通貨に不慣れな企業にも対応しやすい仕組みです。年内にはアメリカ市場での提供が見込まれています。

さらに、米国内ではアトランタ、オースティン、ロサンゼルス、マイアミ、ナッシュビル、サンフランシスコの6都市で虹彩認証による本人確認システム「World ID」の導入が開始されます。これは、仮想通貨の信頼性を高めるだけでなく、実社会における個人認証の新たなスタンダードとしての活用も見込まれています。

米国では仮想通貨業界に対する規制の緩和が進んでおり、この状況を好機と見たWorldは、事業拡大に向けて積極的な施策を展開しています。さらに、予測市場サービス「Kalshi」へのアクセスも可能になる見通しであり、今後の成長戦略において多様なデジタルエコシステムとの連携が注目されています。

（参考）ワールドコインとTinderが提携　日本で先行実施、米国では6都市でサービス開始へ