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イザカヤ編集部

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2024.04.21

  • 投資戦略Tips

ライトコイン(LTC)とは?ビットコインとの比較や特徴・将来性をわかりやすく解説

ビットコインに残された課題を解決した仮想通貨ライトコイン(LTC)をご存知でしょうか。ビットコインと比べて決済の高速化と低コストが実現されているライトコインは、日常的な支払いにも適していると注目されています。

一方で、「ライトコインとはどのような仮想通貨なのか」「ビットコインとどう違うのか」「将来的な可能性はあるのか」など、ライトコインについてよく分からないという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ライトコイン(LTC)の歴史や特徴、技術的な内容からビットコインとの違いや、今後の展望を分かりやすく解説します。ぜひ最後までお読みいただき、ライトコインの全容に触れてみてください。

ライトコインとは

ライトコインは、ビットコインを基盤とした分散型デジタル通貨の1つです。2011年に開発されたライトコインは、ビットコインの「軽量版」となるような仮想通貨を目指して設計されており、ビットコインに比べ決済スピードが速く、手数料が低いことが特徴です。より日常的な決済手段としての活用が期待されている仮想通貨です。

ライトコインの歴史

ライトコインの創設者は、チャーリー・リー氏です。リー氏はグーグルでソフトウェアエンジニアとして働いていた経歴を持ち、2011年にライトコインの開発に着手しました。ビットコインの技術を基に、より高速で低コストな決済システムの構築を目指したのがライトコインの開発経緯です。仮想通貨の中ではビットコインの次に歴史のあるメジャー通貨です。

主要なマイルストーンとアップデート

ライトコインは2011年10月に正式にリリースされ、以降着実に利用者を増やしてきました。2013年には主要な取引所への上場を果たし、2017年には1コイン当たりの価格が最高値の400ドルを記録するなど、大きな注目を集めました。この年にセグウィット(SegWit)と呼ばれる技術アップデートが行われ、取引の高速化と手数料の低減が実現されました。2018年にはライトニングネットワークの運用実験に成功し、2022年にはミンブルウィンブル(MimbleWimble)と呼ばれる機能が追加され、プライバシー保護の強化が図られました。

ライトコインとビットコインの比較

ビットコインと比較すると、ライトコインは以下のような特徴を持っています。

  • 1ブロックの生成時間がビットコインの約1/4の2.5分と高速

  • 最大発行枚数がビットコインの4倍の8,400万枚

  • 取引手数料がビットコインの1/10程度と低コスト

  • マイニングアルゴリズムがメモリ容量に依存するスクリプト(Scrypt)を採用しており、専用マイニング機器の影響を受けにくい

このように、ライトコインはビットコインよりもスピーディーで低コストな決済を実現しており、日常的な支払いに適した仮想通貨として評価されています。

ライトコインの特徴

ライトコインには、次のような特徴があります。

  • 取引速度が速い(スケーラビリティの解消)

  • 最大発行枚数が8,400万枚と決まっている

  • ライトニングネットワークに対応

  • 暗号方式にスクリプト(Scrypt)を採用

取引速度が速い

ライトコインの大きな特徴の1つは、取引の処理速度が速いことです。ビットコインの場合、1ブロックの生成に通常10分程度かかりますが、ライトコインは約2.5分と非常に高速です。つまり、ライトコインはビットコインの約4倍の速さでブロックを生成し、取引を承認できます。さらに、ライトコインにはブロックチェーンに記録される取引データを圧縮する技術であるセグウィット(Segwit)が導入されています。セグウィット(Segwit)によって、ブロックサイズを実質的に拡大することで、ブロック当たりの取引数を増やすことができ、高速な取引速度を実現しています。

発行限度がある

ビットコインと同様、ライトコインにも発行限度が設定されています。ライトコインの最大発行枚数は8,400万枚と定められており、これによりコインの希少性が担保されています。ライトコインは日常的な少額・高速決済を想定して開発されたため、発行枚数はビットコインより多く設定されています。ライトコインにもビットコイン同様に、一定期間ごとに採掘報酬が半減する「半減期」があります。半減期によって報酬を減らしながら、最大発行枚数に達する仕組みになっています。最大発行枚数に達すると新規のライトコインは生み出されなくなるため、今後の価格の安定性に期待ができます。

ライトニングネットワークに対応

ライトコインは、ライトニングネットワークに対応しています。ライトニングネットワークは、ブロックチェーンを活用しながらも、オフチェーンでの高速・低コストな取引を実現する決済プロトコルです。ライトコインはこのライトニングネットワークに組み込まれることで、さらなる取引速度の向上と手数料の削減が図れるようになりました。またライトニングネットワークを活用することで1円以下の小額な送金(マイクロペイメント)が可能になりました。ライトコインは日常の小額決済において利便性の高い仮想通貨として評価されているのはこのためです。

セグウィット(Segwit)とは?

セグウィットは、ビットコインやライトコインなどのブロックチェーンにおける重要なアップグレードの1つです。ライトコインはビットコインに先駆けて2017年にセグウィットを導入することでスケーリング問題の解決を実現しました。

セグウィットの仕組み

セグウィットの基本的な仕組みは、 トランザクションデータの構造を改良することで、証人(Witness)データを切り離すことです。証人(Witness)データとはトランザクションデータの一部で、デジタル署名などの検証に使われるデータを指します。この証人(Witness)データを切り離すことによって、トランザクションデータを小さくすることができ、より多くの取引を1ブロックで処理できるようになります。

セグウィットのメリット

セグウィットのメリットは以下の通りです。

  • トランザクション処理能力が改善されることにより、取引の処理速度が向上

  • ライトニングネットワークなどの第2層スケーリングソリューションの基盤

  • 証人データを分離することで、トランザクションIDが不変となりトランザクションマリアビリティを解決

セグウィット(Segwit)は、証人データの分離によってブロックの実質的な容量を拡大し、トランザクション処理能力を大幅に向上させました。さらに第2層ソリューションの基盤ともなり、ビットコインをはじめとする主要な暗号資産のスケーラビリティ向上に大きく貢献しています。

セグウィットとビットコインの関係

セグウィット(Segwit)は当初、ビットコインのスケーラビリティ問題を解決するために開発されました。ライトコインでの導入後、2017年にビットコインにもセグウィット(Segwit)が実装されています。この時、一部のマイニング方法が使えなくなるということでビットコインマイナーから導入に対して反対する意見もありました。

ライトコインのマイニングと半減期

ライトコインはPoWマイニングとビットコインと同様の半減期メカニズムを採用しており、半減期到来時の供給減少が希少性を高め、価格変動をもたらす可能性があります。

ライトコインのマイニング

マイニングとは、新しいトランザクションデータをブロックチェーンに加える行為です。ライトコインのマイニングは、ビットコインと同様にPoW(Proof of Work)のアルゴリズムに基づいて行われます。マイナーは、専用のコンピューターを用いて、難易度の高い数学的問題を解く必要があります。この問題を最初に解いたマイナーが、新しいブロックを作成し、報酬を得ることができます。ライトコインではマイニングアルゴリズムはScryptと呼ばれるメモリ依存型のものを採用しています。ビットコインの場合は、新しいブロックを生成するための計算が非常に難しく、高性能な専用マイニング機器が必要ですが、Scryptアルゴリズムの採用によりライトコインのマイニングには高性能な専用マイニング機器は必要ありません。一般的なパーソナルコンピューターでも比較的容易にマイニングに参加できるのが大きな特徴です。

半減期とは

ライトコインの最大発行枚数は8,400万枚と定められているため、新しいライトコインの発行ペースは時間とともに減少していきます。この発行ペースの減少は一定期間毎に行われており「半減期」と呼ばれています。ライトコインの半減期は、約4年ごとに設定されており、ライトコインの新規発行量は半減期ごとに半分になります。直近では、2023年8月に実行されており、報酬が12.5 LTCから6.25 LTCに半減しました。

半減期が市場に与える影響

ライトコインの半減期は、供給量に大きな影響を及ぼします。新規発行量が減少すれば、相対的な希少性が高まり、価格高騰につながる可能性があります。過去の実績を見ると、ライトコインの半減期を境に価格が大きく上昇する傾向が確認されています。一方で、供給減少に伴う需給の逼迫から価格変動リスクも高まるため、投資家にとっては注意が必要です。半減期は価格変動の重要な要因の1つとなっており、市場の動向を予測する上で考慮すべき指標といえます。

ライトコインの将来性

ライトコインは決済での実用性が評価され普及が進む一方、プライバシー機能の扱いによっては規制リスクも存在します。

送金/決済手段としての普及

ライトコインの大きな強みは、ビットコインよりも高速で低コスト・小額から取引処理が可能なことです。この特徴から、ライトコインは日常的な小額決済における最も有力な手段として注目されています。実際に決済サービス大手のPayPal(ペイパル)が、2021年3月からライトコインでの決済を開始した事例や、アメリカなどでは仮想通貨ATMの設置も始まっていることから送金・決済手段として、今後世界的に広がっていくことが期待されています

ライトコインの希少性

ライトコインには最大発行枚数が設定されており、ライトコインの希少性が上がる要因の1つです。過去の実績を見ると、2015年、2019年、2023年とライトコインの半減期を境に価格が大きく上下していますが、需要と供給のバランスによって長期的には価格が安定的に上昇していることが分かります。今後もライトコインの希少性の高さが、価格を安定的に上昇する原動力として期待されています。

韓国では上場廃止

ライトコインをめぐっては一部の課題も残されています。例えば、2022年には韓国の仮想通貨取引所大手の数社がライトコインの上場を廃止する決定を下しました。その理由は、2022年にライトコインはミンブルウィンブル(MimbleWimble)と呼ばれるアップデートによってプライバシー強化を行いましたが、これによって匿名性が高まりマネーロンダリングなどの不正につながるのではないかと規制当局が懸念したためです。今後、これらの課題に対してライトコインのプロジェクトがどのように取り組むかが、ライトコインの将来性を左右する大きな要因となるかもしれません。

まとめ

ライトコインは高速な取引処理と低コストな手数料という特徴から、日常的な決済手段として注目を集め、近年では決済サービス大手が採用するなど既に一定の決済インフラが整備されつつあります。技術的には、セグウィットの導入やライトニングネットワークの実装など、スケーラビリティ向上に向けた継続的な取り組みが行われてきました。さらに2022年には、ミンブルウィンブルによるプライバシー強化も実現しました。一方で、プライバシー強化による匿名性の高さが規制当局の懸念材料となり、一部の国で上場廃止の事態も起きています。ライトコインの実用性の高さから、今後さらに普及が進み、日常的な決済手段として大きな地位を占めていく可能性は十分にありますが、規制リスクなど課題も残されています。

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