イザカヤ編集部
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2024.06.27
仮想通貨
ユニスワップ(Uniswap)とは、イーサリアムを始めとした複数のブロックチェーン上で稼働している分散型取引所(DEX)のことです。
日本では、コインチェックやビットフライヤーなど中央集権型取引所(CEX)が主流であるためまだ馴染みはありませんが、既に取引をしている人も少なくありません。
この記事では、ユニスワップ(Uniswap)の特徴や魅力について、詳しく解説しています。
DEXの利用を検討している人は、是非参考にしてください。
2018年11月にローンチされたユニスワップ(Uniswap)は世界初のDEXであり、取引高の圧倒的な多さからもDEXの代表格といわれています。
DEXとは、分散型取引所とも呼ばれる分散型金融(Defi)サービスの1つであり、CEXとの違いは、以下のとおりです。
DEX | CEX | |
---|---|---|
プラットフォームの管理主体 | なし | 暗号資産交換業者 |
カストディ(資金管理) | ユーザー | 暗号資産交換業者 |
法定通貨への交換 | 不可 | 可 |
本人確認 | 不要 | 要 |
上記のとおりCEXでは暗号資産交換業者が取引所の管理運営を行いますが、DEXでは取引所の管理者は存在せず資金管理もユーザー自身で行うため、ハッキングやサイバー攻撃による影響が低くなります。
さらに、CEXの口座開設などに必要な本人確認資料などが不要であるため、手軽に始められる点もDEXの特徴の1つです。
一方でDEXでは、CEXのように暗号資産交換業者を介さずにスマートコントラクト機能によって自動的に暗号資産の交換ができるため、手数料などが抑えられる傾向にあります。
つまりユニスワップ(Uniswap)は、CEXと比べて安全で、手軽に取引ができるDEXであるといえます。
DEXの代表格であるユニスワップ(Uniswap)の2024年5月14日における主な指標は、以下のとおりです。
通貨記号 | UNI |
---|---|
時価総額 | 約6,390億円 |
価格 | 1068.72~1,119.94円 |
発行上限枚数 | 10億枚 |
参考:CoinMarketCap Uniswap(UNI)価格・チャート・時価総額
一方でユニスワップ(Uniswap)には、以下の特徴があります。
複数のブロックチェーン上で稼働している
AMM型のDEXである
「UNI」トークンを発行している
トークン上場の審査がない
それでは、1つずつ詳しく見ていきます。
イーサリアムのブロックチェーンを利用してリリースされたユニスワップですが、現在では複数のブロックチェーンにも対応できるようになっています。
ユニスワップが対応できるブロックチェーンは、以下のとおりです。
イーサリアム
Polygon
Optimism
Arbitrum
Celo
BNB Chain
Avalanche
Base
上記のように複数のブロックチェーンで対応できるようになった背景として、取引が集中したことによるネットワーク手数料(ガス代)の高騰や、取引処理の遅延が挙げられます。
言い換えれば、このような問題が起きるほどユニスワップの人気は高いということです。
現在は、複数のブロックチェーンに対応しているため、ブロックチェーン間での資金移動ができます。
さらに複数のブロックチェーン対応により、特定のブロックチェーンで問題が起きた場合でも、その影響を限定的に抑えられるなどのリスク軽減の効果も期待できます。
ユニスワップは、スマートコントラクト機能によって自動的に取引が行われるAMM型のDEXです。
AMM型とはAuomated Market Maker(自動化市場メーカー)の略であり、従来のオーダーブック(取引板)方式とは大きく異なります。
オーダーブック方式では、暗号資産取引所に表示されている売り注文と買い注文を基にユーザー間で取引が行われます。
従ってオーダーブック方式は、価格のアンマッチによる取引不成立や、取引できる暗号資産の種類も限定的である点がデメリットです。
これに対しユニスワップの場合、取引に用いる暗号資産を流動性プールというものに預けておき、ユーザーはその流動性プールとスワップ取引を行います。
そしてスワップの際の交換レートは、通貨量に応じてスマートコントラクト機能が自動的に計算し、決定してくれるため、迅速な取引が可能です。
ユニスワップでは、DAOのガバナンストークンである「UNI」トークンを発行しています。
DAOとは、運営方針やプロジェクトを投票により意思決定するため、特定の管理者が不要である分散型自律組織のことです。
「UNI」トークンを保有していれば、ユニスワップDAOの運営方針やプロジェクトの投票に参加できます。
「UNI」トークンは流動性プールに暗号資産を預けた際、その対価としてUNIを獲得できるほか、取引所でも購入できます。
ユニスワップでは、CEXで行われるようなトークン上場の審査はなく、イーサリアム規格「ERC‐20」にて発行されたものであれば誰でもトークンを上場できます。
従ってユニスワップでは、CEXでは取引されないようなマイナーな暗号資産にも対応しています。
ユニスワップ(Uniswap)が人気が高い理由として、以下の3点が挙げられます。
ウォレット接続で誰でも利用できる
流動性が高く、取引機会が多い
流動性マイニングによって収益が得られる
上記のとおり特徴によるメリットが、ユニスワップ(Uniswap)の人気の秘訣となっています。
ユニスワップの人気が高い理由の1つとして、暗号資産をオンライン上で保管する財布であるオンラインウォレットに接続するだけで利用できる手軽さが挙げられます。
一般的な国内取引所を利用する場合は口座開設が必要であり、本人確認資料やマイナンバー提出など手間がかかるうえ、これらの個人情報漏洩のリスクもあります。
一方でオンラインウォレットは、口座開設手続きや各種資料の提出は不要であり、メールアドレスとパスワードがあれば誰でも利用できます。
つまり、ユニスワップは誰でも手軽に始められる分、一般的な国内取引所よりも多くの利用者が見込めるということです。
ユニスワップに対応しているオンラインウォレットは、以下のとおりです。
Uniswap Wallet
MetaMask
WalletConnect
Coinbase Wallet
上記の中でもMetaMaskは汎用性が高いため、他のオンラインウォレットよりもスムーズに利用できる可能性が高いです。
ユニスワップでは、スワップ取引の相手方となる流動性プールに多くの種類の暗号資産がストックされています。
さらにユニスワップではトークン上場の審査もないため、1,500種類以上の暗号資産とスワップ取引が可能であるとも言われています。
このような流動性の高さや取引機会の多さが、ユニスワップの人気が高い要因となっています。
一方でユニスワップの流動性プールには、2種類の暗号資産を同じ価値で預け入れる必要があります。
ユニスワップでは流動性プールに預け入れた場合、取引手数料の一部が報酬として支払われます。
この仕組みを「流動性マイニング」または「イールドファーミング」といい、ユニスワップの人気が高い要因の1つとなっています。
報酬はガバナンストークンである「UNI」で支払われるため、ユニスワップでの売却やDAOの投票への参加も可能です。
流動性マイニングのために行う流動性の提供は、ユニスワップのプールの画面で以下の手順で行います。
番号 | 手順 | 概要及び注意事項 |
---|---|---|
1 | 預け入れる通貨ペアを選択 | 預け入れる2種類の暗号資産は同じ価値でなければならない。 |
2 | 手数料率を設定する | 0.01%、0.03%、0.3%、1.0%から選択する。予め最も高い流動性の手数料率が選択されているため、わからない場合は設定されたままでもよい。 |
3 | 流動性を提供する価格範囲を設定する | 価格が範囲外となった場合は、その間は流動性を提供しないため手数料が得られない。一方で価格範囲を広くした場合は、利回りが低下する可能性がある。わからない場合は予め設定されたままでも良い。 |
4 | 預け入れる数量を決定する | 片方の暗号資産の数量を決定すれば、もう片方の暗号資産は同じ価値になるよう自動計算される。 |
5 | トランザクションを承認する | トランザクション(取引)を承認すれば流動性提供完了となる。 |
流動性を提供した暗号資産の数量などの確認や解除も、ユニスワップのプールの画面で手続きできます。
ユニスワップ(Uniswap)はCEXにはない特徴によるメリットも大きく、今後に期待できるDEXですが、利用の際には以下の点について注意が必要です。
日本円では購入できない
スキャムコインが紛れている
流動性提供に伴うリスクがある
上記の中には大きな損失が出てしまうものもあるため、対処法もしっかりと確認しておきましょう。
ユニスワップは、日本円を始め法定通貨では購入できないため、まずは国内の暗号資産取引所でイーサリアムなどを入手しなければなりません。
つまり、ユニスワップは口座開設の手続き不要で利用できますが、ユニスワップを利用するための暗号資産入手のために、国内の暗号資産取引所の口座開設が必要ということです。
一方でユニスワップは、日本で認められている暗号資産取引所ではありません。
国内の暗号資産取引所は、事業者の登録とともに金融庁から法令に則った投資家保護のルールなどを義務付けられていますが、ユニスワップは登録自体が行われていないため日本の法律適用外となります。
つまり、ユニスワップでの手続きや取引は全て自己責任で行わなければならず、万が一トラブルになった場合でも法律上では保護されないということです。
以上のことからユニスワップは、初心者よりも既に国内の暗号資産取引所の利用経験がある中級者以上に向いている取引所といえます。
ユニスワップでは審査不要でトークンが上場できるため、金銭を騙し取る目的で発行されたスキャムコインが紛れている可能性があります。
スキャムコインに対して、ユニスワップ自体も排除するフィルターを提供していますが、ご自身でも、コントラクトアドレスから暗号資産の検索やホワイトペーパーを確認するなど事前にリサーチを行うようにしましょう。
ユニスワップの流動性マイニングは収益が得られる一方で、提供した2種類の暗号資産の価格変動による損失が起こる可能性があります。
この損失のことをインパーマネントロスといい、常に価格変動が起きる暗号資産では必ずと言っていいほど発生します。
インパーマネントロスの規模は、提供した暗号資産のレートによって決まります。
例えばビットコイン(BTC)とテザー(USDT)を流動性に提供し、BTCが2倍に値上がりした場合、約5.72%のインパーマネントロスが発生します。
さらにBTCが4倍に値上がりした場合のインパーマネントロスは、20%になります。
一方で提供時とレートが変わらないまま提供解除した場合、インパーマネントロスは発生しません。
このようにインパーマネントロスの規模は、提供した暗号資産のレートによって決まるため、流動性に提供する暗号資産を価格変動が小さいステーブルコインにするなど組み合わせを十分検討しましょう。
ユニスワップは、複数のブロックチェーンで稼働しているAMM型のDEXであるため、流動性が高く、取引機会が多い取引所として人気が高いです。
そしてユニスワップは、ウォレットに接続するだけで誰でも利用できるうえ、スマートコントラクト機能によって迅速な取引ができます。
さらにユニスワップの大きな特徴として、2種類の暗号資産を預け入れによって、ガバナンストークンである「UNI」で報酬が受け取れる流動性マイニングがあります。
一方でユニスワップは、法定通貨が利用できない点やスキャムコインの混在、インパーマネントロスのリスクがありますが、利用には十分なリサーチや検討によってリスクの回避または軽減が可能です。
DEXでの暗号資産取引を検討している人は、是非ユニスワップを検討してみてください。
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